こんにちは。サッカー大好きなかじんです。
中学校サッカー部の外部コーチに就任してから一年半が経ちました。
外部コーチ就任当初、試合のたびに2桁失点で負け続けていました。
- 「どうすれば試合で勝てるのか?」
- 「どうすれば子供達が自信を持ってプレーできるか?」
と言う風に悩みは尽きませんでした。他の指導者さんや保護者さんも同じ悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか?
そこで私が取り入れたのは「ロンド」を意識した練習です。徐々にではありましたがプレーに変化が表れ、今では試合で勝てるまでに成長してくれました。
少しでも参考になればと思い、実例を元に記事にまとめてみました。
実際に試合で発揮できた:4つの改善ポイント
ロンドを意識した練習を取り入れて改善した4つのポイントをご紹介します。
改善ポイント①:ボールホルダーの顔が上がり、周りを見る余裕が生まれた
ボールをキープする場合、焦りや不安からか、何度もボールを触りたくなります。まずはボール流しながら顔を上げる癖を付けることから取り組みました。
ボールをタッチし過ぎると顔が下がり、周りの状況が分かりづらくなります。相手の位置どころか、味方の位置さえも見えなくなり、ボールを奪われやすくなります。
プレーヤーとボールとの距離感を反復練習で叩き込む
足元のボールがぼんやり見えるくらいの位置、いわゆる間接視野でボールを捉え、流しながらキープする練習をすると良いでしょう。
「顔を上げる練習なんて初歩的すぎる」と思われるかもしれませんが、実際の試合となると相手のプレスに焦り、けっこう顔が下がっています。癖が付くまで練習あるのみですね。
- ボールを何回もタッチしない。ボールを流すことで顔が上がる。
- ボールを間接視野で捉え顔を上げることで、ピッチ全体を俯瞰できる。
改善ポイント②:ボールキープ力が大幅にアップした
今の子供達はYouTubeなどで「1対1」の動画を見ています。ドリブルやフェイント技術の引き出しを多く持つためにはとても参考になる動画だとは思います。
しかし実際の試合だと複数の相手がフィールドにいるわけなので、無理やりの突破はボールロストの確率が高まります。
相手のパワーを折ると言う感覚を身に付ける
ボールロストを減らすには、相手を引き付けて「回ること」「ターンすること」です。
回る時は、相手の足が届く一歩手前で、インサイドでボールを隠しながら弧を描くように回ります。相手のパワーを受けずに方向を変えることができます。
ターンする時は、まず相手を進みたい方向とは逆へわざと誘い出し、相手から遠い方の足でボールを引きターンします。ルーレットよりも角度が付くイメージです。
- ボール運びの時、「回る」「ターン」を使うことで相手のパワーを折ることができる。
- 「回る」「ターン」の動作で相手に一度背を向けるため、後ろの味方の位置を確認できる。
改善ポイント③:連続した細かく素早いワンタッチパス技術が向上した
外側に3人・内側に1人、もしくは外側に4人・内側に2人の配置で鳥かごの練習はどのサッカーチームでも行われていると思います。
鳥かごのような外側だけのパス回しは、試合前のアップにはちょうど良いと思いますが、組織的な動きの練習には向いていません。
私が練習で実践した大人数ロンドでは、ディフェンスとディフェンスの間への顔出しのタイミングや、全体のポジショニングのバランス感覚を養えます。
オーガナイズ
【人数】
外側(オフェンス)6~8人、内側(ディフェンス)3~4人
【コートサイズ】
20m×20m、もしくは25m×25m(参加人数に応じて調整)
【簡単なルール】
- 外側の円は広がりすぎず、一定の距離(隣と2m~3m程度)を保つ。
- ボールが外に流れても円の形を維持しながら全体で動く。
- 外側の1人が必ず中に入る。パスを出したら円に戻る。
- 外側の隣同士だけで3回連続のパス回しは禁止。
外側から中に入り、ボール処理後に再び外側へ出る際に、全員が円のバランスを再度整える動きを意識的に行います。
- ディフェンスの背中(裏)を取るパス回しスキルの向上
- ディフェンスを「吊り出す」「圧縮させる」動きとパス回しスキルの向上
改善ポイント④:ボールロストが抑えられ、攻撃のリズムを作れるようになった
ディフェンスラインからビルドアップする時、すぐにサイドへ展開しそのまま相手側のコーナー付近を目指す動きが多くありました。考えなくサイドへ展開する意識を変えることに注力しました。
タッチライン際(サイドレーン)は相手のパワーが最もかかりやすいエリアです。外に外に追いやられ人数をかけられてボールを奪われカウンターをくらうシーンは多々あります。
シナリオ別のボール運びは以下のことを意識する
シナリオ① サイドレーンに相手を圧縮 → 中央レーン(またはハーフレーン)
シナリオ② 中央レーンに相手を圧縮 → サイドレーン → 中央レーン(またはハーフレーン)
相手のプレスパワーがどこにかかっているか、数的状況はどうか、中央レーン・バイタルエリアでフィニッシュ(シュート)する意識を持っているか、ここは時間をかけて何度も練習しました。
- 基本的なボール運びは、「ボールホルダー」、「相手と相手の間に顔を出す味方」、「ボールホルダーの下に付く味方」の3人が三角の位置関係で入れ替わりながら維持するもしくは崩す。
ボールを下げる時は味方のポジショニングに注意する
攻めたい気持ちからか、ただ前進あるのみで簡単にボールロストが発生していました。攻撃の準備のためにボールを意識的に下げることも大事です。
ボールを下げる時は、下に付く味方と三角形のポジショニングを意識しながらリスクに備え、攻撃のタイミングを図ります。
子供達には「サッカーは三歩進んで一歩下がるのリズム」を提唱しています。
「サイドから攻撃しろ!」とか「ボールを下げるな!」とか言っているコーチの方をよく見ますが、昔ながらの日本サッカーでは、今は勝てない時代になってますね。
- サイドは攻撃の準備をする場所。サイド攻撃一辺倒では試合をコントロールできない。
- 前進あるのみのサッカースタイルから脱却し、「ボールを下げる」を意識することでボールポゼッション率が上がる。
本当に4つの改善ポイントだけで強くなったの⁈
上記した改善ポイントで相当な効果があり、試合を優位に進めることに成功しています。
もちろん勝てるようになるまでには、基礎的な練習メニューは集中力を持って取り組みました。
スコアにどんな変化があったか2つの例をご紹介します。
- 0-21の大差で負けていたA中学校に、1-3で惜敗
- 0-15の大差で負けていたB中学校に、9-1で勝利
※大差で負けていた時の対戦中学校は、全て1学年上のチームだったので当然実力差はありましたが、大差で負けた敗因はそれ以前の問題でした。
これから先の課題
- ボールを「止める」技術を高める
- 体の力みを無くす、「脱力する」感覚を掴む
- 狭い守備ブロック内でのボール回し
- 3-4-2-1システムの可変ディフェンス理解
参考にさせてもらった本
「サッカー清澤式ロンド解剖図鑑」の著者、清澤光伸さんは長い時間をかけてロンドを研究され、日本サッカーの常識を変えようと奮闘されています。
私自身、ロンドを完全に理解しているわけではありませんが、この本を読んで子供の頃からのサッカーに対する疑念が晴れたように思います。
ロンド解説の言葉や表現方法も分かりやすく、子供達でもすぐに理解できる内容です。
著者:清澤光伸
発行者:三輪浩之
発行所:株式会社エクスナレッジ
まとめ
今回は弱小サッカー部が試合で勝てるようになった理由を説明しました。
試合で勝てるようになったことで、子供達も自分のサッカーに自信を持つようになりました。
私の独自の練習によって改善したポイントをまとめると、次のとおりです。
この記事が、練習方法に悩んでいる方々の参考になると嬉しいです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
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